同じような仕事をしていても、肩のこりやすさや、症状は人によって差があります。
これには体質が関係していて、やはり自分の体質に合ったアプローチをするべきなのです。
今回は東洋医学的アプローチによる「肩こり」の解消法をご紹介します。
まずは症状のタイプを知ろう!|気滞・瘀血・血虚:肩こりの3つのタイプ
まずは、自分が以下のどれに当てはまるか、診断してみてください。
■気滞(きたい)タイプ:緊張するとこる
緊張に伴うこり。筋肉の張りが強く、そのときどきでこる場所が変わる。
■瘀血(おけつ)タイプ:同じ場所がこる
いつも同じ場所がこり、ひどくなると痛み始める。筋肉がコリコリしていて固く、皮膚の色がくすんでいる。
■血虚(けっきょ)タイプ:疲労をともなう肩こり
肩の筋肉が痩せていて、疲れると、こりが強くなり眼精疲労を伴うこともある。
気滞
「気」が滞りやすい体質。
[box class=”blue_box” title=”気滞タイプの特徴”]
・イライラして怒りっぽい
・ストレスをためやすい
・ウツっぽい症状が現れる
・ため息が出る
・のどにつかえを感じる
・PMS(月経前症候群)に悩まされている
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→このような症状が当てはまる人は気滞タイプです。
自分なりの気の発散法(運動や呼吸など)を見つけることが大事です。
瘀血
「血」が滞りやすい体質。
[box class=”blue_box” title=”瘀血タイプの特徴”]
・クマができやすい
・肌がくすんでいる
・青あざができやすく、いつまでも残りやすい
・痔や生理痛がひどい
・心臓などの循環器に持病がある
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→このような症状が当てはまる人は瘀血タイプです。
特に冷えには注意し、血行が悪くならないよう体を温めるのがおすすめ。
血虚
「血量」が少ない、「血」が持つ機能が低下している体質。
[box class=”blue_box” title=”血虚タイプの特徴”]
・やせ気味
・唇や爪の色が悪くつやがない
・肌が乾燥して荒れやすい
・髪がパサついている
・めまいや動悸を起こしやすい
・不安感や慢性不眠などが見られる
[/box]
→このような症状が当てはまる人は血虚タイプです。
重労働や夜更かしには気をつけましょう。
気滞・瘀血・血虚:タイプ別に効果的なツボ
気滞
こっている場所と、間使(かんし)を強めに押す。
間使:手首の内側の横じわの中央から親指3本分で、2本の腱の間。
瘀血
こっている場所と三陰交(さんいんこう)を強めに押す。
三陰交:内くるぶしから親指3本分上、骨のすぐ後ろ
血虚
肩全体をさすり、三陰交を弱めに押す(上の写真と同じ)。
血虚タイプは筋肉が弱いため、強めに押すのではなく肩全体を優しくさするのがポイントです。
気滞・瘀血・血虚:タイプ別に効く漢方
気滞
■柴胡疎肝湯(さいこそかんさん)
肝の疎泄作用を調整して気滞を除き、これにより経絡や筋の気血運行を改善することで和らげます。
■四逆散(しぎゃくさん)
神経の高ぶりや不安を抑制し、ストレスや緊張などを除去する効果と、滞った気の流れを流す効果があります。
瘀血
■疎経活血湯(そけいかっけとう)
「血(けつ)」がたまると「瘀血(おけつ)」の状態となり、痛むようになります。
この瘀血を改善し、血の巡りをよくすることで肩のこりを解消します。
■桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
滞った「血(けつ)」のめぐりを良くすることで、経絡のめぐりもよくなり、肩こりや他にも生理痛、月経不順、月経異常などを改善します。
血虚
■炙甘草湯(しゃかんぞうとう)
心血を補って、心拍や血行を強化します。貧血や疲れやすさからくる肩こりに効果的です。
その他(食養・養生)気をつけるポイント
気滞:緊張をほぐす
緊張すると肩こりになりやすいので、定期的に深呼吸をする、ストレッチをするなどして、緊張からの肩こりを予防しましょう。
適度なスポーツや汗をかくことも気の発散につながります。芳香の強い柑橘系やハーブなども気滞のタイプには効果的です。
瘀血:同じ姿勢を長時間続けない
同じ姿勢を続けると血行が悪くなります。
適度に体を動かし、肩を回す、冷えを予防するなどして血行の悪化を予防しましょう。
れんこんやさといものほか、うこん(ターメリック)、しょうが紅茶なども血行改善に効果的です。
血虚:疲れをためすぎない
筋肉に耐久性がないので、疲れを蓄積しないことが肝心です。
重労働や目の使い過ぎ、夜更かしはしないように気をつけましょう。
また唐辛子やコショウ、山椒など辛くて「熱性」のある食べ物は控えるようにしましょう。